
W杯2026グループF初戦のオランダ戦で左シャドーとして守備タスクを完遂した前田大然選手。堂安律選手からは「陰のMVP」と称えられるなど、スコアには残らない献身的なプレーが高く評価されました。そんな前田選手が2026年6月18日のチュニジア戦へ向けた調整の中で語った「どこかで背後は絶対空いてくる」「後半がチャンス」という言葉が注目を集めています。
オランダ戦とは全く異なる展開が予想されるチュニジア戦で、前田選手はどのような戦い方を想定しているのでしょうか。この記事では、前田選手の戦術的な狙い、後半勝負を見据える理由、そしてポジション柔軟性の裏にある戦術的意図まで、徹底的に分析していきます。
オランダ戦での「守備タスク完遂」が評価された前田大然

2026年6月のW杯初戦オランダ戦で、前田選手は左シャドーとして先発出場し66分までプレーしました。この試合での前田選手の役割は、オランダ右サイドの攻撃を封じること。スコアシートには名前が残らない地味な仕事でしたが、その貢献度は計り知れないものでした。
試合後、MF堂安律選手は前田選手と久保建英選手を「陰のMVP」と評し、「彼ら2人がいなければもっとやられていた」とコメント。前田選手の前線からのチェイシング、激しいプレスバック、そして何度も繰り返される全力のスプリントが、オランダの攻撃を削いだのです。
非常に大きな運動量とスピードを武器に、攻撃の選手でありながら守備タスクを全うした前田選手。この献身的なプレーがあったからこそ、日本代表はオランダ相手に互角以上の戦いを演じることができました。しかし前田選手本来の持ち味は、やはり攻撃面にあります。
チュニジア戦の戦い方予想:引いて守る相手をどう崩すか
前田選手は6月18日の調整中、チュニジア代表について「引いてくるだろうと予想している」と発言しています。オランダ戦とは全く異なる展開が予想されるこの試合で、日本代表はどう戦うべきなのでしょうか。
引いて守備ブロックを敷く相手に対しては、日本がボールを持つ時間が長くなります。押し込んだ状態でいかに相手の守備を崩すか、これがチュニジア戦の最大のテーマです。前田選手もこの点を理解しており、「オランダ戦とは違うタスクになる」と語っています。
守備的な相手と対戦する際、多くのチームが苦戦するのは「スペースが無い」という問題です。相手が自陣深くに人数をかけてブロックを作ると、攻撃側はパスコースもドリブルスペースも限られてしまいます。しかし前田選手は、この状況に対して独自の解決策を持っていました。
「どこかで背後は絶対空いてくる」発言の戦術的意味
前田選手の「引かれようとも、どこかで背後は絶対空いてくる」という言葉は、単なる楽観論ではありません。これは彼の豊富な経験と戦術理解に基づいた確信です。
相手が引いてスペースを消そうとしても、完全に背後のスペースをゼロにすることは不可能です。なぜなら、守備側がラインを下げれば下げるほど、彼らの背後にはゴールラインまでの空間が生まれるからです。また、攻撃側の動きに対応して守備ラインが動く瞬間、必ずどこかにギャップが生じます。
さらに前田選手は興味深い指摘をしています。「僕が走ることによって、手前のスペースが空いたりもします」という発言です。これは非常に高度な戦術理解を示しています。前田選手が相手DFラインの背後へ全力で走り込むことで、相手DFは後ろを気にして下がらざるを得なくなります。その結果、DFラインと中盤の間、いわゆる「バイタルエリア」にスペースが生まれるのです。
つまり前田選手のランニングは、自分がボールを受けるためだけでなく、味方のために決定的なスペースを作り出す役割も果たしているのです。このような「走ることで前のスペースが空く」という認識は、前田選手の走力と運動量が攻撃の起点・トリガーになっているという自信の表れです。
「前半は我慢、後半勝負」の時間帯設定が鍵
前田選手のもう一つの重要な発言が、「W杯を見ていると、疲労や暑さで後半はオープンになってくる」という分析です。これは単なる希望的観測ではなく、データと経験に基づいた戦術的判断です。
引いて守るチームは、前半は組織的な守備ブロックを維持できます。しかし試合が進むにつれ、守備側には疲労が蓄積していきます。特にW杯のような大舞台では、緊張と暑さも相まって、後半になると選手の運動量が落ち、守備ラインの統制が緩んでくるのです。
前田選手は「前半はスペースが消される展開になる」と予想しつつ、「後半がチャンス」と明言しています。つまり前半は我慢して、相手の守備組織が緩む後半の時間帯こそが勝負どころだと見ているわけです。
この時間帯設定は非常に重要です。前半から焦って無理に崩そうとすれば、攻撃が単調になったりカウンターを食らうリスクが高まります。しかし後半、相手の守備が緩んだ瞬間を狙えば、前田選手のスピードが最大限に活きます。トランジション局面や守備ラインの背後のスペースを、持ち前のスプリント力で突くことができるのです。
ポジションの柔軟性:シャドーかウイングバックか
チュニジア戦での前田選手の起用ポジションにも注目が集まっています。前田選手自身、「次はどこで出るかわからない」としたうえで、「シャドーだろうと、ウイングバックだろうと、与えられたタスクをこなすだけ」とコメントしています。
久保建英選手が負傷でチュニジア戦メンバー外となったことで、その穴をどう埋めるかが監督の課題です。前田選手の起用には複数のプランが考えられます。
シャドーとして起用される場合
シャドーとして起用されれば、オランダ戦よりもゴール前に出ていく役割が増えます。引いてくる相手に対して、DFラインの背後へのランを繰り返し、スペースを作りながらチャンスを狙う形です。前田選手の「背後は絶対空く」という発言は、このシャドーでの起用を想定している可能性が高いです。
ウイングバックとして起用される場合
一方、ウイングバックとして起用されれば、上下動と背後へのランを生かす役割になります。相手が引いている状況では、サイドバックが高い位置を取ることで攻撃に厚みを加えられます。前田選手のスピードがあれば、守備時には素早く戻り、攻撃時には一気に背後へ飛び出すことができます。
どちらのポジションであれ、前田選手の走力と戦術理解があれば、チームに大きく貢献できるはずです。この柔軟性こそが、前田選手の最大の強みの一つと言えるでしょう。
「チームファースト」の姿勢と走ることへの絶対的な自信
前田選手のインタビューで一貫して感じられるのは、「チームファースト」の姿勢です。個人としてのゴールよりも、チームの勝利を最優先する考え方が随所に表れています。
「引かれているからどうこうは特にない」という発言も、その表れです。多くの選手は引かれた試合を嫌がりますが、前田選手はどんな展開でも自分の役割を果たす覚悟を持っています。「走ることで前のスペースが空く」という言葉には、たとえ自分がボールに触れなくても、走り続けることでチームに貢献できるという信念が込められています。
この「走ること」への絶対的な自信は、前田選手の最大の武器です。スピード、持久力、そして何より「走り続ける意志」があるからこそ、彼はどんな戦術的タスクでもこなせるのです。オランダ戦での守備タスクも、チュニジア戦で期待される攻撃タスクも、すべては「走ること」から始まります。
日本代表の成長:背後を突く戦術の進化
前田選手の「背後は絶対空く」という感覚は、日本代表全体の戦術的成長ともリンクしています。オランダ戦では、最前線の上田綺世選手、前田選手、トップ下の久保選手、両サイドの堂安選手と中村敬斗選手の動きで、相手DFラインの背後を取る動きを多く出せていたとの分析もあります。
この「背後も足元も両方ケアさせる」攻撃スタイルは、チュニジアのように引く相手を崩すうえでも非常に重要です。足元でボールを受けるだけでなく、常に背後への脅威を与え続けることで、相手DFは前にも後ろにも対応しなければならなくなります。その結果、守備組織に綻びが生まれ、決定的なチャンスが生まれるのです。
前田選手の戦術理解と実行力は、このような日本代表の進化した攻撃戦術を体現しています。個人の能力だけでなく、チーム戦術の中で自分の役割を正確に理解し、それを実行できる選手。それが前田大然という選手の真価なのです。
ファンの反応・SNSの声
前田選手のコメントや戦術的な狙いに対して、ファンや専門家からも注目の声が上がっています。
前田の「背後は絶対空く」って発言、めちゃくちゃ自信に満ちてて頼もしい。オランダ戦の献身的な守備も評価されてるし、次は攻撃で爆発してほしい
Twitterでのファンの声
前田選手の自信に満ちたコメントは、多くのファンに勇気を与えています。オランダ戦での守備貢献が評価されたからこそ、チュニジア戦では攻撃面での活躍を期待する声が大きくなっているのです。
堂安が前田を「陰のMVP」って言ったの嬉しい。走り続けることがどれだけチームを助けてるか、ちゃんと評価されてるんだなって
サッカーファンコミュニティでの投稿
堂安選手からの「陰のMVP」という評価は、前田選手の献身的なプレースタイルがチームメイトにしっかり認識されていることを示しています。スコアに残らない貢献こそが、チームスポーツでは最も価値があるのかもしれません。
前田が「走ることで手前のスペースが空く」って言ってるの、戦術理解が深い証拠。自分の動きが周りにどう影響するかわかってる選手って貴重
戦術分析系サッカーブログでのコメント
前田選手の戦術理解の深さを評価する声も多く見られます。単にスピードがあるだけでなく、自分の動きがチーム全体にどう影響するかを理解している点が、トップレベルの選手としての証と言えるでしょう。
チュニジア戦、前田がシャドーで出るのかWBで出るのか気になる。どっちでもタスクこなせるって言ってるのがすごい
日本代表ファンフォーラムでの議論
ポジションの柔軟性についても注目が集まっています。現代サッカーでは複数のポジションをこなせる選手の価値が高まっており、前田選手のような万能性は監督にとって非常に使いやすい武器となります。
まとめ:前田大然のチュニジア戦への準備は万全
2026年6月19日時点で、前田大然選手はチュニジア戦へ向けて万全の準備を整えています。オランダ戦での守備タスク完遂という実績を背景に、次の試合では攻撃面での活躍が期待されています。
「どこかで背後は絶対空いてくる」という言葉には、相手の戦い方を見抜く戦術眼と、自分の走力への絶対的な自信が込められています。引いて守るチュニジア相手に、前半は我慢しながらも後半の守備が緩む時間帯を狙うという明確な時間帯設定も、経験に基づいた賢明な判断です。
シャドーでもウイングバックでも与えられたタスクをこなすというポジション柔軟性、そしてチームファーストの姿勢。前田選手のこれらの特徴は、日本代表にとって欠かせない戦力となっています。
チュニジア戦では、前田選手の背後を突くランニングとスピードが日本代表の勝利の鍵を握るかもしれません。2026年のW杯グループステージ第2戦、前田大然選手の活躍に注目です。